歩き出して少ししたら雨となった。まだそれほど強くはないが、今日一日降らないことはないと思ったので、ここで着ておくことにする。初めから着ておけばいいのに・・・。なんかきのうと同じようなことをしている。ずっと濃いガスの中で、山頂かと思ったピークはただの小ピークだったりで、なかなか山頂に着かなかった。

雨の鹿島槍ヶ岳

山頂は真っ白け。誰もいない。雨は霧雨程度だが、少し風があって寒い。写真だけ撮って北峰に移動。分岐にザックを置いて、カメラだけ持って北峰に行ってきた。ここからは約２５００ｍ付近にあるキレット小屋までは急下り。浮石が多かったり、雨で濡れた岩が滑りやすかったりで、結構神経を使った。靴底がかなり減って丸くなているため、余計に滑るのだろう。

キレット小屋で中休止くらいしようと思っていたが、雨が強くなってきたので歩くことにした。口ノ沢のコルには、一張り分だが快適なテン場があった。覚えておくと良いかもしれないが、岩には「ここはテント禁止場所」とペンキで書いてあった。口ノ沢のコルから五竜岳までコースタイムは３時間。次の目標が３時間先というのは、気分的につらい。せめて２時間くらいにして欲しいものだ。今日のように視界がないときは、とくにそう思う。目標物としてはG５、G４くらいだが、はっきりわからず、高度計を頼りに歩くしかなかった。

高度計が２７００ｍを超え、本峰の登りにかかっていることを確信。山頂は縦走路からやや西に離れており、晴れていればザックといっしょに山頂に行くところだが、今日はザックを分岐に置き、カメラだけ持って山頂へ。雨が激しくなる。そして今日初めての雷が・・・。よりによってこんなところで・・・。そそくさとザックを置いてある分岐に戻り、五竜山荘に向けて下る。

テン場は段々状になっていて、雨続きなのにどこも水は浮いてなかった。風警戒なら下段、雨警戒なら上段。ここは受けた時のダメージを考え、風警戒で一番下の段に張ることにした。受付しに行った時、ビール代だけ払って、ビールをもらってくるのを忘れたことに気付き、また小屋に行った。ついでに水ももらってきた。

詳しい台風情報をやっていた。台風は予想よりも速度が遅く、月曜日に関東に上陸するのではとのこと。予定でいくと、白馬岳以降ということになる。ということは、ほぼ下山まで雨続きか・・・。栃木と福島をはじめとする大雨は、まだ続いているという。

縦走も後半になり、装備もかなり痛んできた。まず防水がビニールカッパ以下のカッパ。靴のソール。ザックの背中の部品。エアーマット。テントの入口付近の破れ。あと４日間くらいなら何とでもなりそうだが・・・。