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林道(5:45)⇒寺地山(10:37〜11:22)⇒避難小屋上(12:43〜13:31)⇒北ノ俣岳(14:31〜16:10) |
除雪されえていない林道をトボトボと歩く。雪はまだたっぷりあって、およそ背丈くらいはありそうだ。20分くらいでトンネルに到着。トンネルは入口をふさいであった。トンネルの左側の壁を登って、まずは稜線を目指す。スキーはザックにつけて登ることに。汗だくになって稜線に出て、ひと休みすることに。天気のほうは芳しくなく、深い霧に覆われている。ルートが分かりづらそうなので、ちょっとでも見えてくれたらなあ・・・。
2つ目の小ピークでいきなり道を間違える。やけに下るのでおかしいなあと思って地図を出すと、主稜線は直角に右に曲がっていた。とにかくこの尾根はピークの度にカクカクと曲がっており、常に地図を見てないと迷子になってしまいそうだ。トレースがあればありがたいが、きのうの雨で全部消えてしまったようだ。時々赤布があるとホッとする。神岡新道と合流するピークへの登りからスキーで登ることにした。天気は徐々に回復しているのか、寺地山へと続く尾根が見えた。これで迷子の心配からは解放だ。また、このへんから下ってくる人たちともすれ違うようになった。
神岡新道と合流したあたりから、M国さんが徐々に遅れ始めてきた。自分のペースで先に歩いていたのだが、寺地山で休憩した時は、長いことM国さんを待つこととなる。寺地山からは北ノ俣岳の大斜面を望むことができた。ただ、まだ主稜線はガスの中にある。結構痩せた尾根を、シールをつけたまま鞍部まで下る。シールをつけていると、急にブレーキがかかったりしてビックリするが、なかなかスリルがあって楽しい。
次は2200m付近で休んだ。このあたりはガスで真っ白けだ。また、きのうの雨は、このあたりでは雪だったようで、新しい湿った雪が積もっていた。待てども待てどもM国さんは現れない。視界がないので、M国さんがどこら辺を歩いているのかさっぱり分からない。結局、待つこと40分で宮国さん登場。
北ノ俣岳の直下は雪が切れており、夏道が出ていた。そこだけ板をはずして歩いた。北ノ俣岳近くの主稜線に到着。相変わらず真っ白けで、どこをどのように滑っていけば、太郎平にたどり着けるのだろう・・・。M国さんを待つ間、一瞬だけ薬師峠と思われるコルが見えた。すかさずコンパスだけ合わせておいた。またまたM国さんは、待てども待てども現れない。1時間くらい待って、霧が一瞬切れた時に、M国さんの姿を確認。手を振ると、ストックで×の合図。もうそんなに距離はないが、ほとんど足が動いてなかった。とりあえずそこまで駆け下る。そして、M国さんの荷物を持ってあげる。空身になったM国さんだが、足取りはほとんど変わらなかった。僕が着いてから1時間20分後にやっと北ノ俣岳に到着。すでに16時を回っている。動けないM国さんの尻をたたき、太郎平小屋を目指して滑降。なにしろ雪が重いので、変なところに力が入ってしまい、すぐに太ももがパンパンになる。太郎山の登り返しは、シールをつけている人もいたが、シール無しでも登ることができた。
太郎平小屋に着いたのはぴったり17時だった。えらい遅くなってしまった・・・。部屋に入ると、途中でウチらを抜いていった団体さんが、早くも宴会を始めていた。たたんだままの布団にもたれかかって、しばらくウトウトしていた。夕食はかなり豪華!腹が減っていたので食も進む。ご飯3杯と味噌汁2杯おかわりした。食後も大袋のミックスナッツを半分くらいは食べてしまった。部屋に戻って布団に入ると、吸い込まれるように寝てしまった。
太郎平小屋(12:30)⇒薬師平(13:19〜13:41)⇒薬師岳小屋(14:42⇒14:51)⇒北薬師岳(15:40)⇒薬師岳小屋(16:14〜24)⇒薬師峠(16:38〜44)⇒太郎平小屋(17:02)) |
ゆうべは8時ごろに寝たが、途中一度も目を覚まさなかった。朝食の案内がなかったら、いつまで寝たいたかわからない。朝めしは朝めしとは思えないほど豪華だった。天気のほうはというと、ガスで真っ白け。予報では午後には晴れてくるということだ。今日は薬師往復だけの予定なので、しばらく様子を見ることにする。布団に入ったらまた寝てしまい、起きた時にはすでに11時半だった。外を見ると晴れているではないか!急いで行動開始。
薬師峠への下りはあるが、小屋からシールを付けて出た。薬師平への登りは、夏は暗めの樹林帯だった記憶があるが、今は雪で埋もれているのか明るい。程なく薬師平に到着。だだっ広い雪原で、南のほうに槍ヶ岳も見えてきた。雪原にポツリと生える潅木のところに座り込んで休憩。快晴になったが、ちょっと風があって寒い。M国さんはお疲れのようで、ここから先には登らず、薬師平周辺をウロウロしておくようだ。
薬師岳山荘への急登(夏道のジグザグのところ)はザクザクの腐れ雪で、トラバース時は雪ごと崩れてしまい登りにくかった。小屋の直下では逆にクラストしていて、シールが効かず登りくい。北の展望が開けたが、北側はまだ回復していないようで、どんよりとした雲が山にまとわり着いている。南のほうはどんどん回復しており、笠ヶ岳の見えてきた。
小屋を出てすぐにガスがやってきて、真っ白の世界となってしまった。戻ろうかとも思ったが、せっかくなので山頂を目指す。薬師岳の山頂に着き、今度は欲をかいて北薬師を目指す。岩稜まじりの稜線はスキーで登りにくい部分がたくさんあったが、強引にクリアーしていく。さすがに北薬師の山頂直下ではスキーをデポ。ツボ足で最後は登った。
頑張って北薬師まで来たものの、時間はすでに3時半を回っている。太郎平の小屋に5時に戻れなくなってしまいそうだ。シールをつけたまま薬師岳まで進み、山頂を通り越したところでシールをはずす。全部下りなら5時までに着きそうだが、薬師峠からの登りがあるので微妙だ。今回初のまともな滑降だ。しかし、滑り出しはクラストしておりエッジが効かず、後半は腐れ雪のため板が回らない。足も疲れていたので、何度も下りながら滑った。一度、頭から突っ込んでしまい、危うくメガネをなくすところだった。小屋へは17時2分に到着。
M国さんは薬師平の後、薬師岳山荘までは登ったようだ。でも、明日双六まで行く体力、気力はないようで、北ノ俣岳から来た道を飛越トンネルへ下ることになった。車の鍵と地図を渡し、あさって新穂高で合流することになった。新穂高からバスとタクシーを使って車を回収する予定だったが、その必要がなくなった。面倒な車の回収がなくなったのはありがたいが、双六まで1人で行動し、双六小屋に1人で泊まるのは寂しいものがある。
太郎平小屋(6:52)⇒北ノ俣岳(8:13〜43)⇒中俣乗越(9:04〜11)⇒黒部五郎岳(10:26〜45)⇒黒部五郎小舎(11:00〜25)⇒三俣蓮華岳(12:57〜13:30)⇒丸山(13:44〜56)⇒双六小屋(14:20) |
昨日寝すぎたせいか、ゆうべは2時ごろまで寝ることができなかった。今日も豪華な朝めしだったが、ご飯をおかわりするほどの食欲はなかった。ここまで行程が同じだった8人組は、5人が双六へ縦走し、残りの3人は飛越トンネルに戻るようだ。朝めしを食わずに出発して行った。
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天気は雲ひとつない快晴!縦走する日にこの天気なのでありがたい。一気に北ノ俣岳の山頂まで歩いて、M国さんを待つ。しばらく休憩した後、M国さんとはここでお別れだ。 ここから中俣乗越までは、赤木岳など2つのコブがあるが、トラバース気味に滑れば、登り返しなしで行けそうだ。中俣乗越には、先に出て行った5人組の姿が見えた。でも、もう追いつけないだろうなあ・・・。 |
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中俣乗越からひとコブ越えると、黒部五郎岳への大斜面の登りとなる。急な登りだが、調子はすこぶる良好だ。中間あたりで上から気持ち良さそうに滑り降りてくる人がいた。うーん、この斜面を滑るのも捨てがたいなあ・・・。稜線直下で5人組がカールにめがけて滑り込んでいった。僕のほうはどうしようか・・・。とりあえず、山頂を目指した。 黒部五郎岳の山頂に着くと、槍ヶ岳が一気に近づいた。快晴の山頂はとても気分がよく、ずっとここにいたい気持ちだった。山頂には先を登っていた単独のにいちゃんがいた。今日はこのまま戻って、飛越トンネルに下山するという。 |
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カールの滑降も捨てがたかったが、展望を求めて尾根コースを滑ることに。展望は良かったが、斜面はイマイチ。どちらかというと、下りの移動をしたという感じだった。最後に小屋に向けて滑り込む斜面だけ爽快だった。滑りを求めるなら、断然カールを滑るほうが楽しそうだ。 黒部五郎小舎の冬季小屋のほうは、まだ1階部分は雪に埋もれていた。入口だけは確保されていたが・・・。次は三俣蓮華岳を目指す。最初の急登はジグザグで登っていく。なだらかになり、楽になるはずだったが、今度はバテ気味になってきた。三俣蓮華岳の山頂からは絶景だった。 |
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三俣蓮華岳からはカールを滑ろうか、双六まで縦走しようか・・・。カールを滑ると、先に楽しみが終わってしまい、双六小屋までトラバースとなる。縦走だと丸山さえ登り切れば、あとは双六小屋まで滑って下れそう。 結局、後者を選んだが、丸山から先はほとんどトラバース気味で、最後に小屋に向けての斜面だけが唯一楽しめるところだった。これなら三俣のカールを滑ったほうがよかった。または、双六の山頂まで登っておいて、一気に小屋に向けて滑ったほうが楽しかったかも・・・。 |
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双六小屋には14時20分に到着。部屋は2段ベッドになっていて、一番端の2段目が割り当てられた。しばらくビールを飲みながらボーっとしていたが、ヒマなので樅沢岳へ行くことにした。 樅沢岳山頂からは槍と穂高の展望がすごすぎる。ひとつ谷を隔てただけになったので、迫力満点だ。山頂ではあまりの気持ちのよさにウトウトしたりした。滑りのほうも、程よいザラメになっていて、今日一番の気持ちのよい滑降をすることができた。45分かけて登ったところ、滑降は5分もかからなかった。 |
太郎平の夕食も豪華だったが、双六小屋はまた一段とすごい。てんぷら5,6枚、ソバに漬物、あとは味噌汁かと思ったら、それはシチューだった。ご飯は1杯しか食べなかったが、全部食べるのに必死だった。食後は食堂前のベンチでタバコを吸っていた。すると、来るわ来るわ。もう6時半を回っているというのに、どんどんやって来る。もし、今日M国さんがきていたら、こんな感じになったかもしれない。部屋に戻ると、ベッドは一杯になっていた。みんなしゃべろうともせず、各自黙々と何かしていた。おもっ苦しい中、ボクも黙々と日記を書いていた。
双六小屋(7:00)⇒大ノマ乗越取り付き点(7:18〜25)⇒大ノマ乗越(8:43〜9:18)⇒徒渉点(10:02〜10)⇒新穂高(11:10) |
今日はまず双六の南峰に登り、南峰カールを1本滑ってから下山開始とする予定。しかし、出発時に双六の中腹まで濃いガスに覆われているのを見て、そのまま双六谷を下ることにした。大ノマ乗越への取り付き点を見落とさないように気を付けながら下る。その取り付き点で小休止。シールで登るつもりだったが、先を登っている人が板を背負って登っていたので、マネをしてボクも板を背負うことにした。
ツボ足で登り始めるが、これがまたズボズボはまって登りにくいし疲れる。雪が重いため、次の一歩を出すのに体力を使ってしまう。後続はスキーで登ってきていた。グングン追い上げられてくる。断然スキーで登ったほうが早そうだ。途中で履き替えるのもなんだし、何か意地のようなものもあって、稜線までツボ足で通した。稜線につくとクタクタになった。スキーで登って来た人を見ていても、ほとんど息が切れてなく、体力に余裕があるように見えた。
あとはほぼ下りのみ。滑り出すが、雪がこの上なく腐っている。ただ滑るだけでも、ザックリと埋まってしまう。ボクの技術では到底まともには滑れない。他の人たちも相当苦労している様子だった。何回も前転してしまい、パンツの中まで雪まみれだ。そんな中でもところどころに良い雪の部分があり、そこだけは気分爽快だった。
下に降りつき、橋を渡ったところで大勢休憩していた。もっと静かなところのほうが良かったが、どっちみちここで板をはずすので休憩。板を持ってデブリを越え、そのあとまた板をはく。林道はほとんど雪が付いていて、だいぶ下まで滑って降りることができた。途中二度ほど雪が切れていたが、強引に板のまま突破。新穂高目前のヘアピン手前まで滑ってこれたので、時間的にも気分的にもずいぶん楽に下山することができた。
ロープウェイ駅の公衆電話で、M国さんにTELを入れる。すると、すでに登山者用駐車場にいた。待たされたらいやだなあ・・・と思っていたので助かった。M国さんは昨日下山した後、温泉に行ったりして時間をつぶしていたらしい。その時みつけた無料の温泉に行く。無料だけあって、脱衣場はあったものの洗い場はなかった。それでも、建物はわりと新しい。4日分の汗を流し、小牧への帰路につく。
■感想
とにもかくにも、3日目の太郎平から双六までの縦走の日が好天に恵まれて、本当に良かった。・・・というか助かった。あの広い尾根は視界がなかったら相当に苦労しそうだっただけに。今回のコースは、滑降というよりもツアー的な要素が強い。その中でも面白かったのは、薬師岳山荘から薬師平へ滑り降りる斜面、黒部五郎岳から黒部五郎小舎への斜面、双六小屋に滑り降りる斜面、樅沢岳から双六小屋への斜面、大ノマ乗越から林道までの斜面があげられる。4日間山に入っていて、面白い斜面はこれだけか・・・という感もある。
■今回滑ってなく、機会があれば滑ってみたい斜面
北ノ俣岳から寺地山への大斜面、薬師岳のカール、薬師岳山荘から西斜面、薬師沢右俣、赤木平(展望期待)、北ノ俣岳の北面、黒部五郎岳西面、黒部五郎カール、三俣蓮華岳のカール、双六岳南峰のカール・・・などがあげられる。これらをやろうと思えば、今回のような縦走という形でなく、太郎平や双六小屋などに定着して挑んだほうが良さそうだ。
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