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鈴ヶ沢東股は4年ほど前に一度遡行しているが、なにしろ沢登りを始めたばっかりの時で、ただ他の人たちについていくだけの状態。大滝とトンネルの滝だけはかろうじて記憶にあったが、その他はどんな滝があって、どこをどう登ったのかさっぱり覚えていなかった。ただ、きれいな沢だったという印象だけはあったが・・・。おかげで、新鮮な気持ちで遡行することができた。 今回は沢登りデビューのY子嬢のために企画した山行。そのY子嬢は雨女で名高いらしい・・・。懸念された台風だが、動きが遅いため、なんとか当日の天気はもちそう。名古屋隊のT橋君、Y子嬢は前夜から御岳の登山口である田ノ原でスタンバイ。松本隊5名は朝4時半に塩尻で集合して、車2台で御岳に向かった。車の回収を効率よくするために、運転手以外は鈴ヶ沢橋に置き去りにし、田ノ原へ向かう。田ノ原で名古屋隊と合流し、車2台を残して三沢橋へとまた下った。置き去りにされた3人は、1時間20分も待たされ、さぞかし退屈だったのでは・・・。
朝から猛烈な日差しで、くそ暑い林道歩き(この日の松本市の最高気温は34度を超えていた)。30分ほどで入渓点である三沢橋に差し掛かる。みんなは車道で沢装備の身支度をしていたが、ボクだけ涼を求めて河原で身支度。それでも暑くてたまらなかった。
30分チョイで林道が横切る。4年前は天気が悪かったので、この橋まで林道を歩いて、ここから入渓したと思う。林道の橋をくぐってからが、鈴ヶ沢東股の本番!ゴーロだった沢床が岩盤のナメ中心に変わる。
3ピッチ目はゆるゆるの地面をトラバースして、笹の生えている急斜面を笹をつかみながら乗り越える。すると薄い踏み跡が出てきた。ガイドではいったん中段まで登ったところで下流側にトラバースし、そこから直上したあと、潅木帯を上流のほうに向かうようになっている。おそらくその踏み跡だろう。まあ、今回はガイドとは別の高巻きルートとなったわけだが、高巻きの距離としては最短のはず。どっちが良かったかは、どっちとも登ってみないことにはわからないだろう。沢への下降は、あるかないかわからないような踏み跡を辿って、緩い斜面を下った。
3段大滝の高巻きに1時間15分かかってしまった。まあ、7人もいるので上出来なのでは・・・。沢に戻り、500mlのポカリを一気飲みした。それでも暑いので、釜に浸かって体を冷やす。今年はまだ奥秩父の沢にしか行ってないが、水温の差は歴然!奥秩父は水に入っても冷たさは感じなかったが、さすがに高峰である御岳の水は冷たく、長く浸かっていると痛冷たく感じてきた。でもこの陽気なので、水から出ても全く寒くはなかった。
水に浸かって体がシャキッとしたところで出発。ここからはさして悪場もなく、かといって平凡なゴーロになるわけでもなく、快適な遡行となる。登れない滝は随所に現れるが、巻きは低いので苦労はない。火山である御岳特有の岩盤なのか、他では見られない渓相だ。溶岩が柔らかいためか、水流による侵食が激しいようだ。そのため、トイ状のナメ滝が多く、水量のわりには釜が発達しているような・・・。
この沢の良いところは、ホールド、スタンスともに豊富なところだ。遠くから見ると逆層で難しそうに見えるが、いざ取り付くと手も足もカチッと決まる。苔も少ないようで、岩はほとんど滑らない。安心して斜めのところでも立つことができた。
沢デビューのY子嬢はフリークライマー。乾いた岩を登る場面になると、目がギラギラしている様子だった。乾いた岩だけでなく、その他の悪い部分でも、初心者にありがちなへっぴり腰になることもなく、全く危なげない。大高巻きでの悪い草付きやヤブっぽいところでも、臆する様子は見られなかった。運動神経もバランスも良いのだろう。次回一緒に行く時は、難しそうな滝が出てきたら、是非リードをお願いしたい!
途切れることなく続くナメ床・・・。いい加減飽きる頃に、なんだか石ころが目立ち始める。しばらく歩くと左斜面が大ガレになった。そして、だんだんと側壁が高くなり、圧迫感を感じたところで、ハングした岩壁に行く手を遮られる。30mの滝なのだが、今日は滝上から一滴も水が落ちていなかった。いくら雨が少ないといっても今は梅雨。前回は秋に来ているが、その時は立派な瀑水が落ちてきていたのだが・・・。ここで水補給を兼ねて休憩。
車道に出てから車まではわずかな歩きですんだ。下山がないというのは大変ありがたい。御岳の方角はすっかり曇りベースとなってしまった。時折雲の切れ間から山腹が見えていた程度だった。
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